多嚢胞性卵巣症候群(PCO)の患者さんに体外受精を行うと、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)発生の問題があります。OHSSを避けるために卵巣刺激を極端に少なくして、卵胞が小さいうちに採卵して採れた未熟卵(GV、MT)を培養・成熟させるIVM(in vitro maturation)が報告されています。
この方法はOHSSを避けられますが、
採卵が困難で採卵率が低い
培養が困難で胚盤胞達成率が低い
妊娠率が低いなどの問題があります。
そこで当院では、通常の方法でOHSSを起こさない程度の刺激を行って採卵しています。この方法だと、OHSSは回避され、成熟卵(MU)も多く採取できますので、多くのケースで胚移植が可能です。
一方、成熟卵に混じって採れた未熟卵にはIVMを行います。
未熟卵はMU期まで成熟すれば顕微授精を行いますが、平均24時間程度の培養時間が必要なため、改めて精液を採取していただくか凍結保存が必要です。
IVMに使用する培養液には患者さん本人の卵胞液やホルモンを添加して使用します。未熟卵の培養成績は必ずしも良くありませんが(受精分割率約50%)、良好胚が得られれば凍結してセカンドチョイスとして胚移植を考えます。


   
 未成熟卵子    成熟卵子
卵丘細胞が密に分布している   卵丘細胞が散在している 



 GV stage(GV期)    MT stage(第一減数分裂中期)    MU stage(第二減数分裂中期)
 最も未熟な卵子で
卵核胞(GV)が見える
   GVは消えているが
第一極体を放出していない
未成熟卵子
   第一極体を放出している
成熟卵子


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